「終わりの始まり」から。

「終わりの始まり」から思うこと。

自分の音楽との関わりの場合、基本的にiTunes Storeで購入。iTunes Storeになくて、どうしても聞きたい、ローカルに保存したいアーティストがいればAmazonで。他にはニコニコにあるオリジナル作品だって、ワンクリックでmp4ビデオとして保存してる。iPodがあればプレイリストとしてビデオも音楽コンテンツとして楽しめちゃうし、面白いものは友達にも聞かせたり、見せたりしてる。ということを考えると、10年前よりもむしろiPod,iTSを手に入れてからのほうが音楽生活は充実しているな。もちろん10年前はお金がなかったことが一番大きな違いなのですが。
みんなが社会人になった去年の忘年会で聞いたところ、友人達は未だにLimeWireでダウンロードしているとのこと。個人的にはアーティストの作った音楽にお金を払わないことになんとなく嫌悪感を覚えるのですが、パッケージ(レンタル)でも見つからない、オンラインストアでも見つからないような類の音を探すのには丁度いいんでしょうか。
合法であれ違法であれ「音楽のある生活」は10年前より充実していると思うし、音楽に関わる行動も増えていると思う。友達と音楽の話だって変わらずしているし、ブログで聞いた音楽を紹介したり、mixiで聴いている音楽情報を共有できたりする。音楽がコミュニケーションのネタとして衰退したか?コミュニケーションとしての衰退が音楽業界の衰退に繋がるか?というとそうではないと思う。

昔はCDというパッケージを介してでしか音楽を聴けなかったわけで、音楽をコンテンツそのもの(データ)として、インターネットを介して楽しめるようになったことがもっとも大きな音楽業界(パッケージ業界)衰退の原因なのではないかと。そちら側のビジネスモデルに転換できなかったことが衰退に繋がっているのではないかと思うわけです。パッケージにDVDなどのオマケをつけてパッケージに付加価値を出したり、パッケージに広告をつけて安く提供するっていうのは今後のメインストリームではなないんじゃないかと。儲からないインターネットの世界の中でも、どうにか儲かるビジネスモデルを創造する道を探すしかないんじゃないでしょうか。少なくともコンテンツホルダーはもはやディスクで保護していてもしょうがないので、iTunes StoreNapsterに自社の全てのコンテンツを提供するべきなんじゃないかなぁ。その上でネット経由で儲かる仕組みを考えないといけないんじゃないかなと思いました。

さて、元のエントリーではゲーム業界も同じように考えられると書かれていますが、それはちょっと違うと思ってます。ゲーム業界の場合は「ゲームのある生活」が豊かになっている人が少なくなっているのではないかなと。任天堂DSやWiiがあんなに流行っているじゃないか!と言われそうですが、流行に乗った新規購入者が継続的にDS、Wiiをいじっているとはとても思えず。継続的に遊んでもらうことを狙った知育や生活系ゲームはたくさん出ていますが、それらは一時のブームにはなれど、思ったようにはなっていないんじゃないかなと思うわけです。DSやWiiを買ってゲームって面白いかもと思ったのに、やっぱりつまらなかった、やっぱりゲームにお金はかけたくないと思われてしまう状況はちょっと嫌ですね。今年の(というか、いつでもなんですが)ゲーム業界は、これまでの任天堂とは違うアプローチで失われた興味を戻すかにかかっていると思います。PSPはタイトル販売数よりも本体の方が売れていますが、ハードを持つ人が多くなってきた中、それぞれの心に刺さるタイトルが継続して出てきて欲しいもんです。